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やまがたの郷土料理

食の案内人・煖エ秀幸氏に教わる 山形の納豆汁 
冬の味覚の代表・納豆汁。身体の芯まで温まる、栄養たっぷりのやさしい味わい。 今回は割烹・つたやさんに郷土料理「納豆汁」の作り方を教えて頂きます。

山形の納豆汁 /レシピを見る

「やまがた食の案内人」とは・・

山形県を訪れるお客様に、山形のおいしい食をご案内する「やまがた食の案内人」。
食材や料理の説明だけでなく、楽しい時間を演出します。
今回は食の案内人・煖エ氏に『納豆汁』のルーツや特徴を教えて頂きます。

遠藤: 山形に来て、はじめて納豆をお汁にして食べました。昔から食べられていたのでしょうか。

有限会社そば処庄司屋 専務 庄司信彦氏
割烹つたや
煖エ秀幸氏
会席、郷土料理を提供する老舗割烹を経営。五代目として伝統の味と技を伝えている。

 

宮崎県出身山形市在住 遠藤晃子さん
宮崎県出身山形市在住

遠藤晃子さん
山形に移住し5年。山形の食文化の豊かさに毎日刺激を受けている。

煖エ: はっきりとした時期はわかりませんが、江戸時代に納豆をお汁に入れて食べていたようですよ。その文化が北上し、特に山形県最上地域は雪が多く寒かったので、たんぱく源としての納豆を使った納豆汁が冬の味覚として定着したようです。食材が少ない冬に栄養がとれて、身体も温まるのでこの地域では大切だったのでしょう。
遠藤: 具材もたっぷりで、本当に温まりますね。今回“いもがら”もはじめて食べたんですが、納豆汁にいもがらを入れること自体、知りませんでした。
煖エ: そうでしたか。今回使用した“いもがら”は「からどり芋」を乾燥させたもので、最上伝承野菜の一つです。太陽の光が少ない冬に、日光を浴びたいもがらは貴重で、まさに先人の知恵ですね。いがらっぽいとも言われますが、ちゃんと戻せばアクもなく、納豆汁には欠かせない食材です。また、納豆汁にはなくてはならない納豆。実はこの納豆をすりつぶす作業が大変で、昔は子どもの仕事でした。すりこぎ棒でつぶす場合もありますが、おすすめは、大根を使ってつぶす方法です。そうすると、適度に水分が混ざって潰しやすくなりますし、まろやかに仕上がります。他にもここ最上は山菜が豊富で、日持ちするように塩漬にして保存し、納豆汁には塩抜きしてから使用したり、なめこ等のきのこも入れますね。
遠藤: 昔からの知恵と最上地方の食材をふんだんに使った、郷土の味なんですね。
煖エ: 山菜やきのこ、豆腐などの食材を使って、シンプルに味付け。素材の良さが活かされる『納豆汁』は精進料理としても食べられてきました。七草の時に、納豆汁を食べるのも栄養豊富だからなんです。また、お祝いの席にお出しする時は、赤色を出すために具材に、にんじんを使用したりします。最上地方以外でも、山形県内で納豆汁は食べられていますが、地域によって、こんにゃくやごぼうを入れるところもありますね。
遠藤: 『納豆汁』は様々な場面で、食べられる事がわかりました。私も冬の定番メニューの一つにしたいです。
煖エ: 納豆をすりつぶす作業が一番大変ですからね。もちろん、大根を使ってすりつぶす方法が一番うまみもでておすすめですが、手間を省くのであれば、納豆がすりつぶされている、便利な“納豆汁の素”が市販されていますので、試してみてください。
遠藤: はい。寒い時期にもってこいの『納豆汁』。早速作って、温まりたいと思います。
食の案内人についての
お問い合わせ
やまがたへの旅社団法人 山形県観光物産協会内
「やまがた食の案内人」023-647-2333

 

「割烹・つたや」さんに『納豆汁』を習おう!


材料 10人分(1人前・お椀1杯分)

  • ダシ汁または水(10カップ)
  • みそ 200g
  • 納豆 300g
  • いもがら(今回はからどり芋を使用)
  • わらび(塩漬を戻したもの)
  • 山うど(塩漬を戻したもの)
  • 原木なめこ
  • 豆腐 1丁
  • 油揚げ 2枚
  • せり(今回は堀込せり)
  • ねぎ
  • 皮付き大根(納豆をすりつぶすために使用)
材料

山形の伝統野菜『堀込せり』

地下水の豊富な山形市前明石、堀米地区(須川沿い)で栽培されています。約70年ほどの歴史があり、野生のせりから選抜したものと考えられています。旬は10月上旬〜3月上旬。シャキシャキとした食感と香りが良いのが特徴で、納豆汁に欠かせない食材です。他にも鍋物、おひたしなどお料理のアクセントにどうぞ。山形県内のスーパーなどで購入可能。

参考:山形県村山総合支庁産業経済部産業企画課
/「村山地域の特産野菜」パンフレット


からどりいも
いもがら
ウド
山うど
山うど
※塩抜きした山うどは、皮をむいた方が、苦味もアクも少ない。

1.具材の準備
塩漬したわらびと山うどを一晩水につけ、塩抜きしておく。いもがらも戻しておく。

※今回のいもがら(からどり芋)の場合、熱湯をかけ、茶色くにごってきたら、水洗いし、ねるめのお湯(約40℃)に30分ほど浸す。柔らかくなったら水気をしぼる。

※からどり芋以外のいもがらを使用する際は、一晩水につけ戻す。
2.材料を切る
塩抜きしたわらび、山うど、戻したいもがら、油揚げは3〜4cmの食べやすい大きさに切り、豆腐も一口大にする。
いもがら いもがら
納豆をする3.納豆をする
すり鉢に納豆を入れ、皮付き大根で納豆の粒がなくなるまでつぶしていく。
するポイント
全体的にすりつぶすよりも、一粒一粒つぶしていくような感じで。 

 

納豆をする 納豆をする

煮る4.煮る
鍋に水を入れ、火にかける。わらび、山うど、油揚げ、なめこを入れて煮る。

5.納豆を入れる
煮立ったらみそを入れ、みそを入れたボールに、煮汁を加え、溶かしながら鍋へ。つぶした納豆をみそこしで溶いていく。 ※お好みでだし(煮干しやかつお)、ごぼうなどを加えてもおいしく召し上がれます。
納豆を入れる 納豆を入れる

仕上げ6.仕上げ
いもがら、豆腐を加えて出来上がり。お椀に盛り、せりやねぎをのせる。

とろっとしながら、山菜のシャキシャキ感がよく合いますね。 
試食
せりの食感と香りがいいでしょう。七味をかけるとぴりっとして美味しいですよ。 

遠藤さんの感想

納豆汁を作るのはもちろん、食べるのも初めてでした。納豆、というので匂いがきついのかな?いもがら?クセが強いのかな?と思いながら、おそるおそる食べました。たっぷりの山菜に大根でなめらかにすり潰した納豆の風味がとてもよく合い、予想よりあっさりと上品な味に箸が止まらなくなりました。納豆をすり潰すのは大変ですが、その分とても美味しく出来ました。家でも寒い日にたっぷり作って温まりたいと思います。

煖エさんの食の案内人として郷土料理への想い

地元に伝わるものは、できる限り伝えていきたいですね。途絶えていくものは掘り起こしながらきっかけを作り、見直していく機会に。また伝承野菜も見直していきたいと思います。食の甲子園などで高校生たちが地元の食材を勉強したりしていますよね。食以外にも地元を想う気持ちが広がっていけば良いと思います。

 

割烹つたや 四季折々、旬の素材で、伝統の味を守りつつ現代風の調和かもしだす、会席・うなぎ・郷土料理など、まごころ込めておもてなし。 割烹つたや
〒996-0021
新庄市常葉町3-25
Tel.0233-22-0434
http://www.kappo-tutaya.co.jp/ 

 

 

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