インタビュー

体験型観光分野の新境地を切り開く開拓者
YAMAGATA EXPERIENCE(いいでカヌークラブ)代表 堀江 守弘さん

PROFILE/YAMAGATA EXPERIENCE(いいでカヌークラブ)代表 堀江 守弘さん

1981年、飯豊町生まれ。
東北大学を卒業後、スウェーデンに留学。
帰国後はフルタイムで働きながらスキー選手として世界選手権やワールドカップを転戦(ロシアやウクライナでの競技経験もあり)。
2017年、Uターンで飯豊町に戻り様々な事業を展開。
アウトドアガイドとして、水没林でのカヌーやSUP、蔵王の氷瀑ツアーなどを行うほか、2023年より山形県内で気球フライト体験をスタートし、山形の新しいアクティブフィールドを構築中!

ナリワイについて教えてください。

アウトドアガイドとして新たな地域産業を確立することを目指し、地域観光を盛り上げるべく、四季を通して様々なアウトドア体験を提供しています。
白川湖での水没林カヌーツアーやSUP体験、広大な盆地や雲海を眺める気球フライト体験、蔵王での氷瀑スノートレキングなどを企画し運営しています。

故郷である飯豊町に戻られたきっかけ、その時のお気持ちをお聞かせください。

東京で会社員として働いていた頃、首都圏や都市部に人口が集中し、地方では年々人口が減り、商店なども少なくなっていく状況に、心の中で寂しさを感じていました。一方で地域には人間の力だけでは創り出せない魅力的な自然環境が広がっていると思いました。この地域に眠っている素材を地域の魅力として磨き上げ活用することで、衰退する地域に歯止めをかけたい、地域を元気にしたいという想いで山形に戻ることを決意しました。

飯豊町で会社を立ち上げたときのお気持ちをお聞かせください。

熱い想いはあれども、本当に自分にできるのだろうか、お客様は来てくれるのだろうか、大きなトラブルに出くわさないだろうかと、様々な不安がありました。新しいことをスタートするときは誰でもそうだと思います。不安を抱えながらも、自分にできることを一歩一歩確実に行い、前進してきました。
応援してくださる地域の方々、仲間、家族の存在も大きかったです。

運営していてよかったこと、苦労したことはなんですか?

お客様の喜びに直接触れることができるのが、アウトドアガイドの魅力です。体験前はハラハラドキドキで緊張した面持ちの方も、ツアーが進むにつれて笑顔がこぼれてきます。「私もできた」「自分の目でこの光景を眺めることができた」という喜びを、同じ時間空間で共有できることはかけがえのない喜びです。
アウトドアでのツアーは、晴れの日だけでなく、雨の日、雪の日、風の日もあります。準備や片付け、催行判断など、困難もありますが、それを乗り越えた先には達成感があり、とてもやりがいのある仕事です。

日々の活動を通じて、心がけていること、感じていることを教えてください。

私たちが企画運営している水没林でのカヌー体験などは、いずれも先人たちの営みから生まれてきたものであり、日々感謝し、地域に定着したコンテンツに出来るかということを大切に考えて活動しています。
地域への還元を大事にしており、例えば体験していただいた方には、現地の入浴券やソフトクリーム券などを配り、地域に足を運んでもらう取組みを積極的に行うことで地域経済の循環・貢献へとつなげていきたいと考えています。
つつましさの中に本質的なやさしさや良さをツアーに取り入れながら、移住してきたメンバーとともに山形を盛り上げています。

これからやってみたいこと、今後のビジョンを教えください。

次の世代にバトンを渡すため、アウトドアガイドという仕事を山形に定着させていきたいです。
ガイドの会社を立ち上げてから、コロナや水害など様々な予測できない壁にぶつかることもありましたが、地域の理解のもと、仲間を増やし、事業を継続していきたいです。

飯豊町を一言で言うと?

自然と人々の営みから生まれる豊かな地域

飯豊町PR

自然と人々の営みから生まれる豊かな地域です。
春先は太陽の光を浴びて、山から雪解け水が流れることによってできる水没林の美しい景観から始まります。
冬は世界有数の豪雪地帯とも言われるエリアですが、自然の厳しさから生み出される景観は四季の幅を広げ季節折々の自然の豊かさを感じることができます。
ここに住んでいるだけで様々な四季の旅ができ、楽しみがあります。
また豊かなおいしい食の実りをいただけるのも飯豊町の自然が生み出す特徴ですね。