インタビュー
ありのままの暮らしを体験できる農家民宿
農家民宿 果菜里庵(かなりあん) 佐藤 栄子さん
PROFILE/農家民宿 果菜里庵(かなりあん) 佐藤 栄子さん
1955年、真室川町生まれ。
平成26年に農家民宿を開業し、農業・加工体験や大学生、中学生などの受入れも積極的に行ってきました。
心地よい風が吹き抜ける広々とした空間で、開放的な田舎暮らしを体験できる「農家民宿 果菜里庵」を営んでいます。
自家栽培の野菜や、伝統野菜を使用した郷土料理が楽しめます。
真室川町はどんなところですか。
真室川町は、山形県最北部にあり、森林が9割を占める自然豊かで農林業を基盤とした町です。
人は穏やかで、いい意味でお人よし、人との繋がりを大切にします。
この町で暮らしていると、ゆっくりと時が流れいく感覚になりますよ。
釣りの時期になると、県外からは、鮎釣りや渓流釣り、登山を楽しむ人が真室川町に訪れます。
また、歴史的に大きなつながりを持つ茨城県古河市とは姉妹都市になっています。
農家民宿をはじめたきっかけを教えてください。
60歳を過ぎてからの自分の人生を、この家でこれから何をしていこうかと考え、何か始めてみたいと思うようになりました。
家に居ながら、お金をかけずに始められることは何かと考えた末に、自分の家の山・畑から採ったばかりの食材のおいしさを伝えたい思いから農家民宿をやってみようと思い、「農家民宿 果菜里庵」を開業しました。
交流することによって、家庭や地域を元気にして、地域活性化に繋げていきたい、郷土料理や伝承野菜の加工品づくりなど行い、6次産業化も目指していきたいと思いました。
これまで受入れをしてきて思い出に残っていることはありますか。
文科省の「山形大学フィールドワーク真室川」での大学生の受入れでは、農業体験や伝承野菜の研究など、「食」と「農」の大切さを学ぶ機会を提供できたのがいい思い出です。
また、首都圏からくる渓流釣りの方とのいい思い出もあります。
季節になると、リピーターとしてまた訪れてくれました。
インバウンドの受入れはどのようなことを心がけていますか。
特別なことはせず、ありのままの暮らしを体験してもらいたいと思っています。
気を使うことなく、実家に帰ってきたような心休まる場所を提供できるよう、こちらも気構えず、自然体でお迎えするようにしています。
「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」で個人部門に選ばれた背景を教えてください。
人とのつながりを通じて選定募集の話があり、いい機会だと思い応募してみたところ、農家民宿や6次産業化が評価され、2023年度「ディスカバー農山漁村の宝」(個人部門)に選ばれました。
表彰を受けたときは、とてもうれしかったです。
これからやってみたいこと、真室川町がどのようになっていくのが理想か、など目標をお聞かせください。
軽食などを出すおしゃれなカフェを経営してみたいです。
ここ真室川町も、これから人口が減っていくことは避けられず、高齢化も進むため、自分で食事を作りたくない方も増えてきているそうです。
そんな方々が気軽に食べられる場所があればいいなと思っています。
また、若い人が訪れたくなるような町になっていけたらいいなと思います。